うつ病の貴方と、支える人へ
初めに伝えたいことがあります。
「うつ病」とは、誰にも分からない病気です。
見た事もない初めて食べた美味しい食事を、知り合いに伝えたい。
そんな時100%伝えることが出来ますか?
どんな味がしたのか、どんな色だったのか、伝えられる事は30%~60%と言ったところでしょうか?
実際に同じものを食べた時ですら共感は出来ますが、全く同じ感想を持つ共有は出来ないと思います。
その料理を食べた事も見た事もない人に全てを伝える事は不可能だと言えるでしょう。
「うつ病」も同じ事が言えます。
例え専門のお医者さんでも「うつ病」になってしまったあなたの苦しみは絶対に理解など出来ません。
私は約2年半で3つの病院を渡り歩き、合計で7人のお医者さんにお世話になってきました。
不思議ですね、、、同じ検査をするのですが、皆さん違う意見を言います。
1人は言います。
「只サボりたいだけでしょ?」
1人は言います。
「重症です、直ちに休職してください」
7人が7人、同じ事は言いませんでした。
サボり、重度、軽度、投薬で大丈夫、通院しなきゃダメ、仕事を休みなさい、、、、
私は一体誰を信じれば良いのでしょうか?
「うつ病」を経験し続けている私から伝えます。
「うつ病」になると、自分では物事を判断できなくなります。
大切な人のアドバイスも時にはアドバイスに聞こえなくなる時もあります。
絶対に、、、「あなたが辛いのは解っている」と言わないでください。
同時に、、、「何で解ってくれないんだ」と思わないでください。
どれほど思っていても、どれほど愛していても、どれほど勉強しても、あなたの苦しみを100%共有する事は不可能なのです。
感情は常に上下しています。
嬉しい、悲しい、辛い、様々な感情が存在します。
「うつ状態」に陥ると悲しい、辛い、ネガティブな感情が爆発してしまいます。
それなのに感情を外に出せないのです。
何故でしょうか?辛いのなら泣けばいいのに。
私の経験をお伝えします。
ある事ばかり考えて、その他に考えられなくなる。
泣く事も、笑う事も、何もかもしたく無くなります。
ただただ、何も考えずに居たいのに嫌な事ばかり考えてしまう。
何かをしようと考えると、どんなことでも悪い方向に考えてしまう。
その思考の海に飲み込まれてしまい、考える事に疲れてしまうのです。
こんにちわ、アナザーです。
とりあえず何でも考えてしまう、その対策として一つでも考えなくていい物を増やしてみてください。行動を日常化させれば考える必要が少なくなります。食事を毎日考えるのは非常に辛いと感じていましたので、食事改革を考えてみるのも良いかもしれません。私の妻も毎日献立考えるのしんどい、そう言ってましたし、手伝いで食事を作る時は結構悩んだものでした。外食に行くよりはリーズナブルだと思いますので検討して観ては如何でしょうか?近くのスーパーのお勤め品を狙うのも良いかもしれません。↓
どんな事でも考えてしまう?そんな事ってあるの?
そう思う方もいるでしょう。
私の場合での話です、実際に考えてしまった事を書きましょう。
「水を飲もう」この行動をしようとします。
・コップは「どこ」だ?
・「取る時」落としたらどうしよう。
・しっかり「掴めば」大丈夫?
・「蛇口から水を出す」時はどっちだっけ?
・水を「大量に出してしまったら」どうしよう。
・「コップに注ぎ過ぎたら」どうしよう。
・お湯じゃないよね?
・「氷は入れる?」
・「持っていく」時に「溢したら」どうしよう。
私は、水を飲むと言う行動をする時に上記の事を一瞬で考えます。
お気づきになった方はいらっしゃいますか?
思考の中で行動・選択へと移ってしまう場所の色を変えてみました。
「取る時」「掴む」「水を出す」「大量に出した時の対処法」「注ぎ過ぎた時の対処法」「氷は入れるか」「持っていく」「溢してしまったら」、、、
水を飲む、その単純な行動の中でこれだけの選択や行動が生まれています。
その一つ一つに同じような工程が存在するのです。
「氷は入れるか?」
・どこにある?
・「どうやって氷を移動」させる
・そもそも「氷が必要か?」
・・・
・・・・ここでも数々の選択肢、行動が生まれます。
「うつ病」の時は全ての選択肢、行動で正解を見付けようと思考を張り巡らせるのです。
そして疲れて、、何もしたくない、何かすると考えてしまうから、、、
でも、仕事をしなければ、お金を稼がなければ、、、、
負のスパイラルの完成となります。
複雑な仕事となれば、その思考は一気に膨れ上がり、次第に心を崩壊させていくのです。
皆がそうだとは言いません。
「うつ病」の私でもあなたの「うつ病」は理解できないでしょう。
リワークと言う施設をご存知ですか?
主に精神疾患等の理由で休職をした人に対する、職場復帰を目的としたリハビリプログラムとなります。
私はそこの通いました、そして私と同じく「うつ病」と診断された多くの方と時間を共にさせて頂きました。
リワークのプログラム内容はまた詳しく書いていきたいと思います。
そこで気付いたことが、同じうつ病は存在しないという事です。
病気となった経緯が似ていても、お互いに感じる感情の変化度合は違います。
全く同じ力で殴られても、痛みの感じ方が違う。
鍛えてる人と鍛えていない人、衝撃に備えた人と気付かずに殴られた人、、、
状況によってダメージは変化しますよね?
心も同じ、人それぞれの感受性は違うのです。
精神に受けたダメージは自分にしか分かりません。
自分の感情は、共感は出来ても共有は出来ないと感じました。
同じうつ病でも同じではない
会社の同僚が鬱になった、友達が鬱になった。
家族が鬱になってしまった。
焦らずに、まず状況を掴んで下さい。
今は話を聞くだけの時?アドバイスが欲しい時?
「うつ病」の本人には何もできません、何もわかりません。助けてあげたいのならば、そう解釈して支えてください。
それが、うつ病という病気だからです。
お願いです、どんな形でも良い。
鬱を知ってください。
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